2017.09.07 イベント

第二回「堀部安嗣 家のかたち」後日談

2017.8.31 住宅「fca」の完成が、遂に今月へと差し迫ってきました! それに先立ち、福岡では、建築家・堀部安嗣氏によるシークレットイベントが開催されました。

離島キッチン 福岡店

住宅街の中にふと現れる、切妻屋根の門構え。
その先にあるのが、木をふんだんに使ったカフェ「離島キッチン 福岡店」。

離島キッチン 福岡店 東京と島根の隠岐郡にも店舗があるのですが、 東京の「神楽坂店」は、なんと堀部安嗣建築設計事務所のすぐ近くにありました! 堀部さんもご存知のようで、中に入ったのは初めてとのこと。 都内にいながら日本中の離島料理が食べられるとのことなので、 今回はお酒を飲みつつ、立食パーティーを挟みながらの和気あいあいとしたイベントに。

歓談タイム 裏でせっせと準備をしてくれている、離島キッチンのスタッフさん。

本日の献立 18時半〜にも関わらず、18時すぎには既に多くの人で賑わっていました。 堀部さんと直接お話できる貴重な機会ということもあり、 「facebookを見ました!」という、飛び込み参加のお客さんもチラホラ。

「fca」について語る堀部さん 18時半。堀部さんのトークイベントが始まりました。 いつも通り淡々と、時には冗談を交えながら、「建築」に対する熱い想いを語っています。 残念ながら来れなかった方に、お話の一部をちょっとだけご紹介いたします。

住宅「fca」 fcaの「f」は、「function」機能。 家が愛され長持ちするのに、とても大事な要素の一つです。 ただ、この「function」。 『ハウスメーカーに頼めばいいのではないか、食洗機があったらいいのでは、床暖房があれば・・・ミストサウナがあれば・・・』 そういった設備のメカに「function」があると勘違いされている方がいるんです。 それを否定するつもりはありません。 でも、もっと大事なところはそこじゃないのではと思うんです。 設備は、建築の中で最も早く寿命がきてしまう。 それを一生懸命やっても、10年後、20年後の費用対効果が得られない。 30年後、40年後、50年後も、変わらない価値の「function」を見つけないといけない。 動線計画はそのうちの一つですね。 — fcaの「c」は、「comfort」快適。 五感に触れる温熱環境。 高気密・高断熱という目に見えないところも、大事にしています。 — fcaの「a」は、「ambience」雰囲気。 自然素材による風化は味わい深いが、 コーキングや新建材に頼り過ぎてしまうと、劣化が早くなってしまいます。 — そして堀部さんは、「fca」を通じて 『風景に対しての意識を考えたい』とおっしゃっていました。 それは、「自分の家さえ快適になればいいや」といった利己的な考え方ではなく、 「自分の作る家は、かけがえのない日本の風景の一部になるのだ」と責任と役割を立ち止まって考え、利他的な雰囲気・要素をみんなでつくっていく。 すると、日本の街・風景から近隣との関係からコミュニティから、 徐々によくなっていくのではないだろうか。 それらは、家一軒から考えられることなのではないだろうか。

会場のお客さん 会場のお客さんたちは、非常に興味深く堀部さんのお話に耳を傾けていました。 堀部さんの「建築」への眼差しは、私たちに新しい暮らしの考え方を与えてくれました。 ここで歓談タイムを挟み、 続いて『福岡の未来について考えるプロジェクト』が行われました。 講師は照井亮さん。

ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズの照井亮さん 照井さんは、昨今主流となっているアイコニックな建築の都市づくりに 「果たして、これは持続可能な都市のありかたなのか?」と疑問を投げかけ、 土地に暮らす人々、未来にその土地に住む人々、そして街づくりに関わる人々が、 共にその土地のアイデンティティをつくることを目指し、調査・研究を進めています。 その調査方法は、 「エスノグラフィ」というユーザー観察の手法が用いられているのですが、詳しくは次回! 実際に、皆さんにも「エスノグラフィ」を体験していただきたく、 只今イベントを企画しております。 要は、 「家」を買うとき、住む場所ってものすごく慎重に決めますよね。 自分に合った居心地のいい場所とはどこなのか? そもそも、自分はどんな時に居心地がいいな〜と感じるのか? それが、体験できるかと思います! 堀部さんが設計された「fca」を通じて、 長い目で見た「家のかたち」「居心地の良さ」を今一度 本質から立ち戻って考えてみてはいかがでしょうか?

今後も、「fca」は定期的にイベントを開催していきます。
お気軽にご参加ください。
お問い合わせ先:theartoflivingJP@gmail.com